会話がはずむほど、料理も酒もうまくなる。心踊る、宮城・仙台の横丁めぐり。(宮城)

旅の夜、つい足が向いてしまう場所がある。
小さなお店がひしめき合うように軒を連ねる、
文化横丁、壱弐参(いろは)横丁、名掛丁(なかけちょう)センター街。
昭和レトロな通りに多くの人が引き寄せられるのは、
味もさることながら、居心地がいいからだろう。
さぁ、今夜はどの店の暖簾をくぐろうか。

ブンヨコの愛称で親しまれる。
昭和情緒あふれる「文化横丁」。

かつてこの場所にあった映画館「文化キネマ」に由来する、文化横丁。居酒屋をはじめ、酒を主体とした店も多いが、寿司、洋食、中国料理など、界隈を代表する食の名店が集結している場所でもあり、世代を越えて食事目的に訪れる人も多いという。

●源氏
文化横丁の中でも、全国的にその名を知られている「源氏」。1杯ごとに酒肴がつき、酒は4杯までというのがこの店の決まり。飲みすぎないようにという優しさと、きれいな酒の飲み方を示唆する美学、そしておかみさんのさりげない心配りがうれしい。

●餃子元祖 八仙
仙台で餃子といえば、真っ先に名をあげる人も多い「八仙」。一番人気の焼き餃子は、カリカリ、むっちりな皮の中から、野菜と肉汁の旨味がじゅわりとあふれ出す。水餃子、蒸し餃子と、3種類の餃子を制覇したいところだが、一品料理も粒揃いとあって悩ましい。

老舗と新進、個性豊かな店ぞろい。
女性にも人気「壱弐参横丁」。

仙台駅から西へ歩いて10分ほどのところにある、壱弐参(いろは)横丁。全長わずか120メートルほどの細い2本の通りには、左右にぎっしりと100軒余りの店が立ち並ぶ。うなぎ屋、焼き肉店、ビストロ、ワインバーなど、新旧の個性豊かな店が連なり、2軒目、3軒目と、ついあちこちハシゴしたくなる。

●横丁の小さな居酒屋 二代目
飾らない中にも丁寧な味わいの肴を提供するお店。だし巻き玉子焼きや変わり種の具材を使ったポテサラなど、安くてうまいアテが揃う。会津の専門店から仕入れる馬刺しは、店主自ら「今まで食べた中でいちばんうまい」と評する看板メニュー。

●牡蠣小屋ろっこ
2019年5月にオープンした「牡蠣小屋ろっこ」は、宮城の特産品のカキを一年中楽しめるのが魅力。松島、雄勝、石巻など、その時季もっともおいしい浜で水揚げされたカキは鮮度抜群。生か蒸しかで味わえる。イチおしのカキのせいろ蒸しを日本酒と共に味わう瞬間は、まさに至福のひととき。

仙台駅近くで気ままな一人飲み。
「名掛丁センター街&政岡通り」。

仙台駅すぐ近くにあるのが、名掛丁センター街と政岡通り。商業ビルが立ち並ぶにぎやかなメインストリートから一歩入ったところにあり、一気に別世界へと飛び込める。大衆食堂や居酒屋、スタイリッシュなバルやビストロもオープン。仕事帰りに軽く一杯、といった若い女性たちも増えているらしい。

●元祖 狸の焼き鳥 名掛丁店
昭和23年、仙台で最初の焼き鳥専門店としてはじまった「狸の焼き鳥」。70年来の歴史ある味を、今もおかみさんの細腕で守り続けている。手仕込み、炭火焼きが信条の串は、好みのものを3種10本というのが基本スタイル。良心的な価格も手伝ってどんどん食べ進んでしまう。

●WINE STAND タンバリン
オープンエアのカウンターに引き寄せられて立ち寄ったのが、ワインスタンド「タンバリン」。世界各地からセレクトしたナチュラルワインを気軽に楽しめるのがいい。20年以上フレンチシェフを経験してきた店主の作るフードも、一人飲みにちょうどいいボリューム。

飲んでよし、食べてよし、そのうえ店主や客と喋ってよし。
宮城・仙台の夏夜の横丁めぐり、この楽しさはやめられそうにない。

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